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「永代供養」や「樹木葬」という言葉が広く知られるようになったのは近年のことです。詳しい内容はまだ伝わっていない面もあるのではないでしょうか。
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする埋葬方法です。自然のなかで眠りたいと願う方から注目を集めています。多くの樹木葬が永代供養のかたちを採用しているため、承継に悩む方にとっても選択肢のひとつとなります。
この記事では、永代供養の樹木葬について、特徴・費用・手続きの流れを順にご紹介します。
永代供養とは?
永代供養とは、ご遺族や子孫に代わり、寺院や霊園がご遺骨を永代にわたって供養・管理することをいいます。
もともとは後継ぎがいない方や身寄りのない方の供養方法として用いられてきましたが、近年は「子や家族にお墓の負担をかけたくない」「お墓に費用をかけたくない」という理由で選ばれる方も増えています。
樹木葬とは?
樹木葬の特徴を順にご紹介します。
墓石の代わりに樹木をシンボルとしたお墓
樹木葬とは、墓地内に植えた樹木や草花を墓標とする葬送です。シンボルツリーの周辺に納骨するタイプのほか、草花や芝生を敷き詰めたガーデンタイプもあります。
埋葬方法は、個別墓・集合墓・合祀墓に分かれます。個別墓であっても、33回忌や50回忌などの期日を設けて、合祀に切り替える施設が多くあります。
永代供養の形式が多い
樹木葬の多くは永代供養を採用しているため、後継ぎの心配や、次世代への負担の不安は少なくなります。ただし、永代供養を採らない樹木葬もあるため、事前確認は必須です。
シンボルツリーによく使用される植物
シンボルツリーは樹木葬の要です。
持ち込みを認めている施設は少ないので、こだわりがある場合は事前に相談しましょう。候補から選べる施設もありますが、シンボルツリーを選べるのは個別型に限られます。
樹木 桜やハナミズキなど、低木で花が咲くタイプがよく使われます。「ご神木」として信仰の対象となるクスノキも人気です。
花 ガーデンタイプでは華やかなバラがよく用いられます。「家族愛」を花言葉に持つサルビアや、開花期間の長いヒャクニチソウも選ばれています。
永代供養の樹木葬が注目される3つの理由
樹木葬は近年、霊園だけでなく寺院でも導入が進んでいます。注目される理由を3つに絞ってご説明します。
継承者の心配がない
少子高齢化・未婚率の増加・故郷を離れて暮らす方の増加により、代々のお墓を維持することが難しくなっています。その受け皿として注目されているのが永代供養です。
永代供養の樹木葬は、寺院・霊園がご遺骨の管理を担うため、跡継ぎがいない方でも安心して供養を任せられます。
墓石代がかからない
墓石が不要な点は、初期費用を抑えるだけにとどまりません。
新たにお墓を建てる場合、墓地の取得と墓石の購入で、どれほど抑えても150万円近い初期費用がかかります。将来の墓じまいには数十万円、寺院墓地では法要のお布施や檀家負担金が必要になることもあります。
樹木葬ではこれらの費用が不要となるケースが多く、総額で見ても負担を抑えやすい方法です。
環境にやさしい埋葬方法
環境への関心の高まりも、樹木葬が選ばれる要因です。
後述する里山型は、既存の山林の形をそのまま活かすため、無理な開墾を必要としません。埋葬のたびに植樹する樹木葬もあり、環境保全や都市の緑地化、里山の再生につながると考えられています。
樹木葬、2つの形態
樹木葬は、大きく「里山型」と「霊園型(都市型)」の2種類に分かれます。
里山型の特徴
里山型は、法律で墓地と認められた里山にご遺骨を埋葬する方式です。
申込者ごとに区画を割り当て、ご遺骨を納めたあと、墓石の代わりに樹木や草花を植えます。自然回帰の考え方から、カロートや石碑・石板などの構造物を用いないケースが多くなります。
広大な土地が必要なため、地方や郊外に立地することが多く、アクセスは決して良いとは言えません。ただし、自然保護と自然回帰を叶える埋葬方法として、希望される方は増えています。
霊園型(都市型)の特徴
霊園型は、施設内に庭園のような樹木葬区画を設け、ご遺骨を埋葬する方式です。
里山型は構造物を極力用いませんが、霊園型ではカロートに納骨する場合もあります。埋葬方法も個別型・集合型・合祀型から選べます。
都心部にも設置できるため、里山型よりアクセスが良く、お参りしやすい環境にあります。
樹木葬、3つの埋葬方法
埋葬方法の3種類について、詳しくご説明します。
個別型(個別のシンボル、個別の埋葬)
個別型は、区画ごとに個別のシンボルを設け、個別に埋葬する方式です。骨壺のままカロートに納めることが多いですが、ご遺骨をパウダー状にし、木綿の骨袋や専用の小さな容器に移す場合もあります。
集合墓(シンボル共有、ご遺骨は分けて埋葬)
集合型は、シンボルを共有しつつ、個別のカロートに納骨します。骨壺や骨袋に入ったままのため、他の方のご遺骨と混ざることはありません。
合祀型(シンボル共有、骨壺から出して埋葬)
合祀型は、シンボルを共有し、ご遺骨を骨壺から出して埋葬する方式です。費用は抑えられますが、他の方のご遺骨と混ざるため、一度埋葬したご遺骨を取り出すことはできません。
樹木葬、費用相場と内訳
樹木葬の費用相場は、埋葬方法や運営団体によって異なりますが、30万円〜70万円程度が目安です。
タイプ別の価格相場と特徴は以下のとおりです。
- 里山型:5〜100万円。カロートなどの建造物がないためリーズナブルな印象ですが、区画を個別に取得する永代使用料が必要な場合もあります。
- 霊園型(合祀):5〜20万円。シンボルツリーも埋葬地も他の方と共有するため、最も費用を抑えられます。
- 霊園型(集合):15〜60万円。シンボルツリーは共有ですが、埋葬地を個別に取得し、カロートの費用も加わります。
- 霊園型(個別):30〜150万円。埋葬地・カロートに加え、シンボルツリーの植樹費用も必要なため、最も高額になります。
一般的なお墓よりは費用を抑えられますが、価格は基本的に1名あたりです。ご家族で申し込む場合は、埋葬人数分の合計額を必ず確認しましょう。
樹木葬、メリットとデメリット
樹木葬のメリットと、注意したいデメリットをご紹介します。
メリット
お墓の管理の心配がない
樹木葬の管理は、寺院・霊園が担うのが一般的です。跡継ぎがいない方や、頻繁にお参りできない方でも安心です。
費用を抑えられる場合が多い
埋葬場所やオプションで変動はありますが、総じて費用を抑えやすい方法です。
環境にやさしいエコ志向
埋葬のたびに植樹するタイプもあり、霊園型であれば都心部の緑地化に貢献できます。里山型は土地を無理に切り開かないため、環境保全や山林の再生にもつながります。
宗旨・宗派を問われないことが多い
「自然に還る」という考え方に基づくため、宗旨・宗派を問わない施設が多くなります。
デメリット
改葬ができない場合もある
合祀型はご遺骨を複数の方とまとめるため、あとから取り出せません。個別埋葬でも、骨壺から出して埋葬した場合は同様です。個別埋葬でも期日後に合祀される場合が多いため、改葬に対応できないケースがあります。
承継できないお墓が多い
樹木葬は一代限りのものが多く、おひとり様やご夫婦単位で申し込みます。経年変化が避けられない自然葬でもあるため、代々引き継いでいくことは難しくなります。
里山型などはアクセスが不便
里山型は、墓地から埋葬地点まで長く歩くことも少なくありません。バス停や駅からも遠い立地が多く、アクセス面は課題です。
手入れが必要になる場合もある
自然の景観を活かした里山型では、ご遺骨の周囲に手つかずの自然が残されていることが多く、景観を保つには多少の手入れが必要となる場合もあります。
メリットとデメリット一覧表
メリット
- お墓の管理の心配がない
- 費用を抑えられる場合が多い
- 環境にやさしいエコ志向
- 宗旨・宗派を問われないことが多い
デメリット
- 改葬ができない場合もある
- 承継できないお墓が多い
- 里山型などはアクセスが不便
- 手入れが必要になる場合もある
樹木葬、手続きや納骨までの5つのステップ
樹木葬の申し込みから納骨までの基本的な流れです。通常の墓地契約とほぼ同じです。
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ステップ1樹木葬に対応している墓地や霊園を探す
樹木葬に対応している墓地や霊園を探します。まだ新しい形式のため、数は多くありません。インターネットなどで、対応施設を把握しましょう。
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ステップ2資料請求・情報収集・現地を見学する
気になる霊園に資料を請求し、現地を見学します。雰囲気を確かめるだけでなく、どのような形式で樹木葬が行われるのかを、スタッフやご住職に尋ねてみましょう。
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ステップ3契約を交わす
納得できる樹木葬と出会えたら、説明を受けて契約を交わします。
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ステップ4支払いと使用許可証の受け取り
費用を支払い、使用許可証や契約書を受け取ります。
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ステップ5納骨する
個別型であれば、区画内の土を掘って納骨し、植樹します。集合型や合祀型は、スタッフやご住職の案内に従いましょう。
まとめ
新しいお墓の形として広がりつつある、永代供養の樹木葬についてご紹介しました。
自然志向に沿った樹木葬ですが、従来の墓石のあるお墓とは趣が異なります。故人のご意向が明確でも、親族間で同意を得られない場合もあります。ご親族の声にも耳を傾け、慎重にご検討ください。
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