9世紀のはじめから続く由緒正しい真言宗の寺院でも、永代供養を取り入れるご住職が増えています。少子高齢化などにより代々のお墓が無縁墓になってしまうのを防ぐ、という意味合いがあるためです。
古くから信仰されてきた真言宗における永代供養とは、どのようなものなのか。気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、真言宗の永代供養について順にご説明します。
永代供養とは?
永代供養は本来、未来永劫にわたる死者の供養を意味します。
そもそも供養とは、死者が迷わずに浄土に辿り着き成仏することを願って祈りを捧げる「追善供養(ついぜんくよう)」を指します。したがって、永代供養を寺院・霊園にお願いするということは、永代にわたる供養によって故人の魂を無事浄土へ送り届けますという約束でもあるのです。
追善供養には、年忌法要のほかお墓の管理も含まれます。近年は、お墓の継承者問題に悩む方への解決策のひとつとして、永代供養が広まっています。
永代供養の埋葬方法について
永代供養には、ご遺骨を骨壺から取り出して埋葬する合祀墓と、骨壺のまま安置する個人墓・家族墓などがあります。ただし、骨壺のまま安置できる期間には限りがあり、「弔いあげ(とむらいあげ)」となる五十回忌などの年忌法要を目途に、合祀墓へ移されるケースがほとんどです。
埋葬の形式は変わっても、永代にわたる供養は、寺院・霊園が存続する限り続けられます。
真言宗とは?
真言宗とは、平安時代に弘法大師空海が開いた、大日如来を本尊とする密教の宗派です。密教とは、大日如来が説いた深遠な秘密の教えであり、師から弟子へ厳格なルールに従って伝えられるとされています。
ちなみに、有名なことわざ「弘法も筆の誤り」と称された書の達人は、空海のことです。
密教の教え
密教の教えの中でも真言宗において重要とされるのは、「即身成仏」と「曼荼羅」です。
即身成仏(そくしんじょうぶつ)
即身成仏は、真言宗の教えの基本です。仏様と同じように行動し、心を清く保つことで、誰でもすぐに仏様になれるという意味です。
密教では、老若男女だれもが修行によって現世で「悟り」を開き成仏できると説いています。「成仏」は死ぬことではなく、「何者にも依存しない、何にもわずらわされることのない安穏な境地」と捉えます。
曼荼羅(まんだら)
曼荼羅は、密教で悟りを開く修行のために生まれた、「悟りの境地」を絵柄で示したものです。大日如来を中心に、仏様や菩薩などが模様のように描かれています。
真言宗の永代供養とは?
永代供養のメリットのひとつに、宗旨・宗派を問わないことが挙げられます。ただし、供養の仕方は各宗派により異なります。宗派ごとに大切にする教義があり、唱えるお経など、故人の供養の仕方は変わってくるためです。
真言宗の永代供養は、真言宗の供養の仕方に従って執り行われ、お経には呪文のように聞こえる「真言(マントラ)」が唱えられます。
供養方法以外の永代供養の特徴は、他の宗派と同様です。故人の祥月命日やお盆・お彼岸の時期に供養を行う点も同じです。
高野山とは?
高野山とは、1200年以上の歴史を持つ、弘法大師空海によって開かれた真言宗の聖地であり、寺院を中心に発展してきた仏教都市です。2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
高野山の永代供養とは?
高野山にある、真言宗の総本山金剛峯寺では、永代供養の受け入れはしていません。
しかし高野山には「高野山中之橋霊園」のほか、別格本山持明院「佛舎利宝塔」など、永代供養を受け入れている寺院や霊園があります。
費用には幅があるため、ご事情に見合った寺院・霊園を選ぶことが大切です。
高野山の永代供養にかかる費用内訳
高野山での永代供養にかかる費用について、内訳をご紹介します。寺院・霊園によっては、ご遺骨の安置代・位牌代・石碑代に、供養代や納骨代が含まれることもあります。
ご遺骨の安置代
ご遺骨の安置代は、1霊体10万円〜となっています。安置期間や合祀される場所によって費用が変わり、寺院によっては喉仏などの「分骨」のみに限定されることもあります。
位牌代
位牌代は、費用に大きな幅があり、無料〜200万円ほどです。供養人数や分骨納骨の可否、年忌供養や日牌・月牌などの供養料が含まれているかどうかで変わります。
石碑代
石碑代は、石の種類や大きさによって100万円〜400万円ほどになります。石碑には名前の刻印のほか、納骨も可能な仕様が多くあります。
供養代
供養代は、無料〜200万円ほどです。供養人数や年忌供養を行う期間、日牌か月牌などで変わり、位牌代に含まれる場合もあります。
納骨代
納骨代は、5万円〜50万円ほどです。喉仏だけや小さな骨壺に入る大きさなど、分骨の場合は5万円〜になります。
まとめ
真言宗の永代供養について、高野山も含めてご紹介してきました。
時代の流れに寄り添うように、真言宗でも永代供養を行う寺院は増えています。霊験あらたかな高野山では、真言宗総本山金剛峯寺では永代供養の受け入れはしていませんが、山内には永代供養を申し込める寺院・霊園があります。
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